
わーい、今日はいい天気だ

お日様がポカポカあたたかいね
どこか散歩にでも行こうか

ねぇ、お父さん。お日様って何からできているの?

えっとね、えーっと…太陽って…何なんだ!?
素朴な疑問に答えるのって、案外むずかしいですよね。
子どもに聞かれて返答に困った経験はありませんか?
このブログでは、知っているようで意外と答えられない「宇宙のなぜ?」について、できるだけわかりやすく解説していきます。
今回は「太陽って何?」です。
太陽はドロドロのマグマ? 炭火?


で、太陽って何なん?
ハカセ教えてよ

なんだと思う?
まずは自分で考えてみよう

真っ赤に燃えているから、ドロドロのマグマ?
それとも、肉を焼く炭かな?

マグマみたいな液体でも、炭みたいな個体でもなく…
“期待”外れの「気体だよ」

………
太陽は気体(ガス)でできています。
74%は水素、25%はヘリウムガスです(重量比)。残りの1%は、酸素やら炭素やらいろいろです。
どうしてわかるの?

どうしてわかるのさ? 熱くて触れないじゃん

地球から太陽を見るだけでわかるんだよ
どうして遠く離れた太陽が水素やヘリウムでできていることがわかるのでしょうか?
理科の授業で、プリズムという透明なガラスを使ったことはないですか?
これを使うと、太陽の光をいろいろな色にわけることができます。

「虹の七色」のようですが、よく見ると色はグラデーションになっていて、名もなき色が無数にあります。科学の世界では、色分けしたものを「スペクトル」といいます。 種類の豊富な色鉛筆のようですね。

しかし、太陽の光を精密に調べると、ところどころ欠けている色があります。


どうして品切れの色があるのさ?

うちの常連さんのお気に入りなんだよ
太陽を形づくる物質には、それぞれ決まったお気に入りの色があり、その色の光だけ吸収する性質があります。なので品切れになっている色を調べることで、太陽が何でできているのかわかるのです。
調べた結果、品切れの本数は500個近くあり、太陽には全部で90以上もの元素があることがわかっています。

品切ればかりじゃないか!

オレだって完ぺきじゃないんだぜ…
そう、この世の中に完璧なものなんてないんです。
欠けていたっていい。むしろ、欠けているからこそ学べることがあるのです。
応用すると「宇宙人探査」ができる
ここまでに学んだことを、少し応用してみましょう。
品切れの色から物質を探る方法を使うと、なんと宇宙人がいるか調べることができます。
太陽以外の星(恒星)をくるくる回る惑星(専門用語で「系外惑星」といいます)に巨大な望遠鏡を向けて、その光を分析するのです。恒星のスペクトルからと、惑星の空気を通過した光のスペクトルを比べることで、その惑星の空気に含まれる成分がわかります。

惑星の空気には、酸素があるのか? あるいは、宇宙人の痕跡(有機物)はあるのか?
こういったことを調べることができるのです。
しかし、この調査のためには巨大な望遠鏡が必要です。
国立天文台が計画しているTMT(Thirty Meter Telescope、30メートル望遠鏡)では、まさにこの「宇宙人はいるか?」問題に挑戦しようとしているのです。